1 気候変動の影響
近年、気温の上昇や大雨の頻度の増加、熱中症リスクの増加など、気候変動による影響が各地で確認されており、栃木県においても令和元年東日本台風で甚大な被害が発生したところです。このまま地球温暖化が進行すれば、猛暑や豪雨のリスクがさらに高まることが懸念されています。
2 地球温暖化を防ぐには
地球温暖化を防ぐには、地球温暖化の原因となる二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を、森林が吸収できる量まで減らす必要があります。この温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを「カーボンニュートラル」といいます。
栃木県では、基準年度である2013年度時点において、日常生活や経済活動に伴い排出された温室効果ガスは約1,946万トン-CO2であり、カーボンニュートラルを実現するには9割以上の排出量を削減する必要があります。
3 栃木県の排出状況
2018年度の栃木県の二酸化炭素排出量は1,744万トンで、電気や化石燃料の使用に伴う「エネルギー由来」の排出が全体の85%、工業プロセスや廃棄物の焼却等に伴う「非エネルギー由来」の排出が全体の15%を占めています。
また、エネルギー由来のうち、「産業分野」が全体の36%、「交通分野」が全体の30%を占め、この2分野でエネルギー由来全体の66%を占めています。
4 未来への分岐点
このまま有効な温暖化対策をとらずに二酸化炭素の排出を抑えないと、「未来のとちぎ」は更なる気温の上昇と気候変動の影響が深刻化し、暮らしにくくなっている可能性があります。
このまま有効な温暖化対策をとらずに二酸化炭素を排出し続けるのか、それともカーボンニュートラル実現を目指すのか、今が分岐点です。
5 カーボンニュートラルの実現に向けて
県は、令和2(2020)年12月、「2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現を目指す」ことを宣言し、その目標達成に向けて必要な取組等を示す「2050年カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ(行程表)」を令和4(2022)年3月29日に策定しました。
これは、現在の温室効果ガス排出を9割以上削減する非常に高い目標となりますが、県民の皆さまとともに全力で取り組んで参ります。